【fate槍弓】永遠にここで君を待つ14

タイトル:【fate槍弓】永遠にここで君を待つ14
内容:FGOで『槍ニキが来たら槍弓小説書きます』と呟いたら、次の日に槍ニキが来た記念に、真冬のホラー体験をプレゼント。
四・五次弓騎士が兄弟設定の上、兄馬鹿なギルが居ります。

つづきからお読みください。


◆◆◆

「シロウが我の代わりに事故に遭い、そして再び目を覚ますまで、本当に長い時間だった。流石も我も無力というものを味わったものだ」
ギルガメッシュが語るエミヤの過去は、クーの想像以上のものだった。
毛色の違うエミヤに対する迫害、そして兄であるギルガメッシュに向いた敵意を逸らすために自身にその矛先を向けさせ、最後には兄の代わりに事故の犠牲になった。
「そんなことが……」
「私も初めて知りました。では、あの胸の傷は?」
「うむ。その事故で付いた物だ」
「後遺症とか、そういうのはあんのか?」
「大きなものはないぞ。多少内臓が欠損しておるので虚弱ではあるが、その分、鍛錬を積んでいるから問題はない」
確かにエミヤはとても鍛えられた肉体をしていた。
武芸を嗜んでいるか、肉体を鍛えるのが趣味なのかと思っていたが、足りないものを補うためのものだったのだ。
「シロウが目覚めたのは、数年前の夏の日だ。その年は例年よりも熱くてな。シロウのいた病院の空調システムが全て壊れてしまったのよ」
そう言われて、クーの脳裏にはあの夏の日が浮かんだ。
「空調が直るまで数日はかかる。仕方なく病室に扇風機だったか、あれを置いて窓を開け放っていた」
「それは不運でしたね」
「否、そうでもない。あの日、窓を開けていなければ、シロウは目覚めなかったかもしれんからな」
「どういうこった」
「『赤い鈴を銜えた青い小鳥』」
ギルガメッシュの言葉に、クーは目を瞬かせた。
「貴様の話にも出てきたな。確か、『ランサー』だったか。青い小鳥がシロウの所にも現れたのだ」
「ランサーが?」
「その日、我が病室に行くと、青い小鳥がシロウの胸元にいた。その小鳥は鳴くでもなく、啄むのでもなく、ただシロウを見つめていた」
その情景を思い浮かべる。
「追い払おうとしたが、我が動くよりも先に、そやつは銜えていた赤い鈴をシロウの胸元に落とすと、直ぐに姿を消した。まるで煙のようにそのままな」
「窓から飛び立ったのではないのですか?」
「否、あれは我の見ている前で消えた」
「鈴はどうなったんだ?」
「シロウの中に吸い込まれた」
「は?」
「言葉の通りよ。シロウの胸に落とされた赤い鈴は、そのままシロウの胸に吸い込まれて消えた。直後にシロウの目が覚めたのだ」
「はぁ!?」
ギルガメッシュの言葉が信じられない物だったので、思わずクーは大声を上げてしまった。
その直後、ここが喫茶店であることを思い出して、慌て口を両手で押さえた。
「あれが貴様の言う『ランサー』と同一の存在なのだとしたら、貴様の言う『エミヤシロウ』と我の弟も何か関係があるのだろう」
「……ギルガメッシュ、頼みがある」
「良い、申してみよ」
「俺に1度で良い、エミヤと会わせてくれ。話をさせてほしい」
「理由はなんだ」
そう問われて、クーは答えに窮した。
何故自分はエミヤに会いたいのだろう。
何を話したいのだろう。
「何を話したいのかは分からない。ただ、話さなくちゃいけない気がしてる」
クーの言葉にギルガメッシュは沈黙で返す。
だが、クーに言えることはこれだけだ。
「ギルガメッシュ、私は彼がシロウに会うことに賛成です」
「ほう、何故だ」
「会わせてはいけない理由がないからです」
アルトリアはそう言うと、クーに向き直った。
「拒絶する理由のない者を、彼は拒まない。そして私は、彼の自由を束縛する気がありません」
「……狗。我の未来の嫁に感謝するのだな」
「え、じゃあ」
「シロウに貴様と会う気があるか確認してやる」
「マジか!恩に着るぜ!」
「ただし!シロウに会う気がなければ、この話は無かったことになるぞ!」
「応とも」
ギルガメッシュはそう言うと、連絡を待てと言い残し、喫茶店を後にした。
「ところでクー・フーリン」
「ん?なんだ?」
「私はアレの嫁になる気はありませんので、そこは訂正させていただきますね」
「あー、了解。覚えて置くぜ」
「ありがとうございます」
そう言って笑顔を浮かべたアルトリアの前には、すっかり綺麗になった空の皿が並んでいた。

15へつづく。
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