【fate槍弓】永遠にここで君を待つ12

タイトル:【fate槍弓】永遠にここで君を待つ12
内容:FGOで『槍ニキが来たら槍弓小説書きます』と呟いたら、次の日に槍ニキが来た記念に、真冬のホラー体験をプレゼント。
四・五次弓騎士が兄弟設定の上、兄馬鹿なギルが居ります。

つづきからお読みください。


◆◆◆

そこに居たのは、エミヤによく似た青年だった。
日の光を反射して銀にも見える白い髪に、滑らかな革のような褐色の肌。よく磨かれた刃の色に似た鋼の瞳には、炎の欠片が宿っている。
驚いたように丸く目を見開いた表情は幼く、鍛え抜かれたその体躯との妙な対比に、ざわざわと首の後ろが騒めいた。
黒い半袖のシャツから伸びた左腕には赤いリストバンドを巻き、その上に金の装飾が施された時計が黒革のベルトで留められている。どちらも落ち着いた色合いで、品の良さとそれに見合った高級感があった。
「えっと、兄様の知り合いですか?」
「貴様、我の弟の名をなぜ知っておる」
ギルガメッシュと青年が同時に言った。
片方は困惑し、片方は警戒している。
「あ、否、知り合いにそっくりだったもんだから、間違っちまった。すまん」
慌てそう弁明してみるも、ギルガメッシュの警戒は解けないようで、「シロウ、こちらへ来い」と硬い声で弟を呼び、クーから守るように背に隠した。
まぁ、ギルガメッシュの方が若干背が低いので、完全には隠しきれていないのだが。
「シロウ、確認するがこやつとは、今が初対面だな?」
「ああ、その筈なのだが……」
そこまで考え込んで、青年はギルガメッシュの後ろから顔を出した。
「失礼、どこかで会ったことがありますか?」
「あー、否、お前とは初対面だぜ」
あまりにも似ているから錯覚したが、よく見れば青年はエミヤよりも体格が良いし、仕草や口調も柔らかい気がする。
「俺はクー・フーリン。ギルガメッシュと同じゼミの仲間だ」
「……エミヤシロウ・アーチャーです。兄がお世話になっています」
名前もほぼ同じか。
「俺の知り合いも『エミヤシロウ』って名前だったんだ。しかもあんたとそっくりな顔でな」
「……そうですか」
クーの言い分を聞いて、エミヤ青年は一応納得してくれたらしい。
「ドッペルゲンガー現象だったか?いやぁ、実際に自分が遭遇すると驚くぜ」
「おい貴様、その場合、我の弟に死期が近づいていることになるが、覚悟は出来ているのだろうな」
「いやいやいやいや、そうと決まったわけじゃねぇだろ!落ち着けよ!」
今にもクーを射殺さんばかりの殺気を込めた視線を送るギルガメッシュを止めて、クーはなおもエミヤ青年に話しかけた。
「確認したいんだけどよ、えっと、アーチャーくん?」
「兄もアーチャーですから、エミヤと呼んで下さい」
「じゃあ、お言葉に甘えてエミヤ。双子ってことはないよな?」
「ギル以外に兄弟はいませんよ」
「親族にもシロウと同じ名、似た相貌の者はおらん!というか駄狗!貴様、誰の許しを得て我の弟と喋っておる!」
頭上で交わされる会話に焦れたのか、無視されていたギルガメッシュがキレた。
「シロウ、帰るぞ!」
「あ、でも見学は」
「我が後日案内してやる!」
そう言い放ち、ギルガメッシュは中身が残ったままの弁当を片付け、風呂敷と一緒に鞄に入れる。
「じゃあな、エミヤ」
「あ、はい。フーリン先輩、さようなら」
「クーで良いぜ。敬語も堅っ苦しいからいらねぇし」
「ええい、シロウに話しかけるでない駄狗!」
ギルガメッシュはそう叫んで、エミヤ青年の手を引っ張って学食を後にしてしまった。

13へつづく。
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