【fate槍弓】永遠にここで君を待つ05

タイトル:【fate槍弓】永遠にここで君を待つ05
内容:FGOで『槍ニキが来たら槍弓小説書きます』と呟いたら、次の日に槍ニキが来た記念に、真冬のホラー体験をプレゼント。
ややグロテスクな表現、ホラー要素が含まれます。

つづきからお読みください。



◆◆◆

縄の神子についての捜索は難航した。
民俗学者の部屋の前にいたあいつが、まるで邪魔をするかのようにクーの行く先々に現れたのだ。
霊だから瞬間移動でも出来るのかと思っていたが、途中途中助けてくれるシロウによると、あれは鏡の中を移動できるらしい。
確かにこの屋敷にはいたる所に、クーの身長を超える姿見が設置されていた。
そのどれもが割れたり欠けたりすることなくあることに、その時初めて気が付いた。
あれはそれを使ってクーの動向を探り、そして邪魔をしに来ているのだ。
現在も、クーはそれから逃げていた。
赤い布を被って顔を隠しているからどんな奴なのかわからないが、黒い着物を纏った体躯と時々聞こえてくる譫言から、そいつは男であるらしいことが分かった。
あれは黄泉から溢れた瘴気に中てられた家人なのだろうか。それともそれに引き込まれて集まった悪霊だろうか。

だがその正体は唐突に判明した。
クーが直前まで調べていた神社に残された、行方不明になった作家の手帳にその正体が書かれていた。
作家に同行していた霊感のある助手が、死ぬ直前に探り当てたらしい。
それは名を『エミヤ』。『エミヤ』はこの屋敷に足を踏み入れた生者を、徐々に苦しめて殺していく。
最初の接触で両の足首に1つづつの縄の跡が、次の接触で両の手首に同じく縄の跡が1つづつ。そして最後の接触で首に縄の跡が付き、そして五肢が裂かれて終いだ。
廊下を駆けるクーの足にも縄の跡が残されている。
シロウの部屋を出た後、人形の部屋で1度捕まってしまったのだ。
その時、頭の中にある映像が流れてきた。
沢山の手に裂かれる体と、叫ぶ白髪の男性。
その段階で予想はしていたが、手帳に書かれた1文で確信した。

『最後の縄の神子の名は、エミヤ。彼は現世に未練を残したまま儀式に望み、その結果、儀式は失敗。開かれた黄泉の門から瘴気が溢れ、エミヤも怨霊と化したのだろう』

あれが縄の神子。それの成れの果て。
人々の守りになる筈の神子が、人々に害をなす存在になるとは。どういう皮肉だろうか。
『エミヤ』の追跡を巻き、クーは屋根裏へと逃げた。
細い梁を渡り、新たに縄の跡が付けられた手で隠された扉を開ける。
その先には綺麗な座敷牢があった。

06へつづく。
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