【fate槍弓】永遠にここで君を待つ04

タイトル:【fate槍弓】永遠にここで君を待つ04
内容:FGOで『槍ニキが来たら槍弓小説書きます』と呟いたら、次の日に槍ニキが来た記念に、真冬のホラー体験をプレゼント。
ややグロテスクな表現、ホラー要素が含まれます。

つづきからお読みください。



◆◆◆

そこは小さな部屋だった。
いくつもの書籍と小物、敷かれたままの布団がある子供部屋だ。
「もう大丈夫だよ、お兄さん」
「ありがとうよ、坊主。助かったぜ」
「ううん、気にしないで」
「……ここはお前さんの部屋か?」
「そう。俺の部屋。安心していいよ、あいつ、ここには入ってこないから」
少年はそう言うと、大きな瞳でクーを見上げた。
「坊主、お前、名はなんていう」
「……シロウ」
民族学者の手記に書かれていた行方不明になった子供の誰かかと思ったが、その名前は書かれていたリストにはなかった。
ということはこの屋敷の家人か、まだ見つかっていない犠牲者だろうか。
「シロウはさっきのあれが何か、知っているのか?」
「知ってるよ」
「ありゃあ、なんだ?」
「……」
クーの問いにシロウは答えない。
「答えられないのか」
「うん、ごめんねお兄さん」
理由があってあれについての情報を言えないらしい。
「ここから出る方法は知ってるか?」
「出たいの?」
「そりゃあ、出たいだろ」
こんな訳の分からない場所で死ぬわけにはいかない。
まだまだやりたいこともある。
「助けてあげて」
シロウが言う。
「……誰をだ」
クーの問いにシロウは答えず、そのままフッと消えてしまった。
シロウのいた場所に、薄汚れた紫色の本が1冊残されていた。
手に取って中を確かめると、それはこの屋敷についての資料の様だった。
屋敷の持ち主は衛宮。代々神事を行い、屋敷の周辺を守ってきた一族で、麓の村では宮様と呼ばれていたと書かれている。
本の後ろに、その神事についての記述があった。

『 染魂ノ儀ノ事
七歳ト九ノ月二七ノ日ヲ過ギタ子供カラ
水鏡ニヨリ選バレタ神子ニ、澱ヲ注グ
神子ハ澱ヲ溜メ、髪ハ白ク、肌ハ黒ク染マル
神子ノ瞳ノ色ガ抜ケ、澱ニ沈ムマデ行ワレル』

『 裂キ縄ノ儀ノ事
十二ノ月十三ノ日
三六六九日ノ長キ間
前世ヘノ思イヲ絶チ清メタ
神子ヲ裂キテ御縄ノ力トスル』

胸糞が悪い話だ。
7歳過ぎの幼子が選ばれ、髪や肌、果てには瞳の色まで変えられることをされ、最後には縄で裂いて殺すという。
「ああ、だから胴体だけなのか」
クーの中で、変死事件と道中で見つけた手帳の『縄が増える』という言葉が繋がった。
恐らく、神子は両手首と両足首、そして首に縄を掛けられ、何らかの方法で裂かれるのだ。
「……たわけが」
信仰深い者たちが考えた方法なのだろう、黄泉と繋がった場所は総じてそういう儀式が行われやすい。
人柱を使って黄泉を封じるのだ。
だが、それにしても、この方法は酷い。
これは『人柱』自体を使用するのではなく、人柱の犠牲によって出来た『道具』を使用して黄泉を封じる。
なんのために五肢を裂くのだろう。
どうせ人柱にするのなら、綺麗な遺体のまま死なせてやればいいのに。
この神子はそれすらされていない。
「シロウがこれを残したってことは、あいつの言う『助けてほしい相手』は神子様ってことか」
この屋敷の最後の当主が家人全員を殺したという記事があったのを思い出し、黄泉の門が開けばそこから瘴気が溢れることに思い当たった。
当主は瘴気に触れて、気が狂ったのだろう。
「ってことは、神子様が儀式に失敗して黄泉が開いた。んでそこから瘴気が溢れてきて一族は全滅。屋敷は呪われたってとこか」
シロウの言う神子様を助けることが出来れば、ここから脱出できるのだろう。
「まずは、その神子様について調べてみるか」
そう言って、クーは部屋を出た。

05へつづく。
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