そこの角を右に曲がった先に (死神)

だれも待っていなかったであろう、「そこの角を~」の続編。
これで完結です。
ORCやって、ハンク先生なら、こういうお仕事もやっているはずだ!と思い立ち、書きました。
でも実際、あの時間軸だと、この展開はかなり無理がありますね・・・。
フィクションですから☆


★ウェスクリ要素が・・・すごく薄らあります。
★うっかりハンベク要素がログインしました。
★この著者、文才がないぞ!
★暗いです。


以上をご確認の上、お進みください。


「そこの角を右に曲がった先に」

その部屋は哀れな男の棺桶だった。
“神”に憧れた愚かな人間によってこの世に産み落とされた、哀れな生贄。実験体の最後の生き残りにして、唯一の成功体。
ウェスカーの名を与えられた後継者だった。
しかし、彼は自らが『偽物』である事を自覚していた。“神”ではないと知っていた。
なぜなら彼は人間だったからだ。
所詮は科学で作られた『偽物』だと、世界を嘲笑っていた。
全てがくだらない飯事なのだと、『本物』たちの中で独り狂っていたのだろう。
だが『偽物』として生まれたとしても、その感情は『本物』だったのではないだろうか。
『偽物』として生まれた者でも、その心までも『偽物』ではないだろう。
だが、それを確認することは出来ない。
アルバート・ウェスカーは死んだのだから。

部屋の中を動き回り、痕跡を消していく。
生きていた証を。
死んでしまった証を。
想いの証を。
慟哭の証を。
隊長を務めていたとは思えない狭さの部屋には、元々備え付けだあろうベッドとデスク、ローソファーと小さな本棚が置いてあるだけで、大凡生活感というものに乏しかった。
あくまでも寝るだけの部屋だ。
時計すらない部屋には、道楽の類は見当たらない。
ただ一つ、ソファーの上に無造作に置かれたヘルメットを除いては。
その使い込まれているであろうヘルメットは、この部屋では異質だった。
あまりにも生きている臭いがしているからだ。
生命力とでもいうのだろうか。そんな感じがそのヘルメットからは漂っている。
ソファーに近づき、ヘルメットを手に取る。
ゆっくりと持ち上げ、観察してみた。
ヘルメットは、とても綺麗に磨かれていた。まるで宝物のように。
これは一体誰のものだろう。
少なくともこの部屋の主の物ではないはずだ。
あの男にこのような物が残せるはずがない。
ならば、これは誰の落し物だろう。
誰が、あの男に与えてしまったのだろう。
ヘルメットを裏返して内部を覗きこむ。
フロント面の下の所にローマ字が刻まれているのが微かに見えた。使い込まれているからだろう擦れてしまっているが、辛うじて文字が読めた。
Chris Redfield
あの男の部下で、あの男を死へ追いやった英雄の名前がそこにはあった。
死神は嗤った。
このヘルメットだけで、彼には全てが分かってしまった。
なんという喜劇だろう。
否、悲劇というべきか。
あの男を地獄に落としこんだのは、あの男がもっとも憎んでいる男だとは。
そしてあの男は、この英雄を愛していたのか。
死神の口元が醜く歪んだ。
ぞわりと背筋を駆けあがる寒気には覚えがあった。
あの男と同じことを、自身はしているのではないだろうか。
己にもっとも近い位置にいる、愛弟子。
彼になら、殺されても良いと、そう思ってしまっていた。
それと同時に、この身に宿る狂気は、彼を食い殺したいと切望している。
死神は嗤った。
嗤うしかなかった。

数時間後、ラクーンシティはこの世から消え去った。



亡者の見た幻の夢よ。
幾許かの希望を宿し、数多の絶望を押し付けた幻想よ。
どうか願わくば。
あなたの優しい刃で、この狂った獣の喉元を裂き切っておくれ。


これは戻ることの出来ない過去に希う、道化師たちの詩。



終わり。




【あとがきという名の言い訳】
暗い文章書いてごめんなさい!
クリスを幸せにしたいけど、こういう文章の方が書きやすいんだ!
すまん!
という訳で、死神さんに急遽出演願いました。
死神さんから見たウェスカーって感じですかね。
よく分かりません。

このお話をもって、「そこの角」シリーズ(だったのよ)は終了となります。
お付き合いいただき、ありがとうございました!
また次のお話でお会いしましょう!

*誤字脱字などありましたら、ご報告下さい。
*無断転用は禁止です。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)