そこの角を右に曲がったら(生物災害 CとJ)

連続投稿!
オンリー明けでテンション高いよ(笑)。


以下注意
*ウェスカー出てきません。
*ジルとクリスの会話。
*スペンサー邸前。
*キャプテンとクリスが出来ていたかどうかは分かりません。
*『そこの角を右だと言っただろう』の続き?

*2013/8/20 改訂しました

『そこの角を右に曲がったら』
何も無くなった荒れ地を、新しく買ったバイクを押して歩く。
左腕に巻いたアナログ式の時刻を見ると、文字盤の短針が頂点を巡り、日付が数時間前に変わっていることを示していた。
数日をかけてバイクを走らしていたので、身体には疲労感が重くのしかかっている。
この街に来るには、それしか方法がなかった。
数年前に殺され、なくなった故郷。
潰えた夢の跡地。
ラクーンシティは死んだのだ。
上を見上げると、幾多の星の輝きが目に入った。
遮るも無い地上を、燦々と照らしている。
「クリス。」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと振り向いた。
そこには、長年の相棒であるジル・バレンタインがいた。
あの悲劇の夜を乗り越えた、仲間の一人だ。
ジルもこの町に用事があったのだろうか。
そう言えば、出かける数日前に、同じ時期に休暇申請を出したと同僚に聞いたことを思い出した。
ジルもこの街に用事があったのだろうか。
「珍しいな。君がこの街に来るなんて。」
「そうね。」
「探しものか?」
問うと、ジルは一瞬哀しそうな表情をして、首を振った。
「・・・あればと思って来たけど、何も無いのね。」
周囲を見て言う。
ジルの視線の先には、荒野と少しの残骸があるだけだ。
「ああ。この街には何も残ってない。あの事件も、俺たちが懸命に守っていたものも、何も残らなかったんだ。一瞬でなくなっちまった。」
「…クリス。」
ジルが呼ぶ。
そんな顔をしないでくれよ、ジル。
「少し、走ろうか。」
そんな顔を見たくなくて、柄にもなくジルを誘った。
「後ろにお邪魔しても?」
「君なら構わないよ。」
いつもの強気な彼女と違う仕草に苦笑いを零し、予備のヘルメットを手渡した。
フルフェイスのそれは真新しく、傷一つない表面が月明かりを反射してつるりと輝いた。




「あ。」
「どうしたの?」
街灯の無い、月明かりだけが照らす道を走っている途中で、思わず声を零した。
その声を拾ったのだろう、後ろに乗っているジルが問いかけて来る。
ジルの声は高速で走るバイクの音に書き消えないように、怒鳴るようだった。
それに答える自身の声も、自然と大きくなる。
「…道を、間違えた事があると思ってな。」
「…え?」
ジルが不安げな声をあげた。
「昔の話さ。」
バイクのスピードを落とし、路肩に止める。
目を閉じて記憶の中のラクーンシティを思い出した。
長年住み続け、光と闇を味わった街だ。忘れる筈がない。
あの道はいつも混んでいた。
あの病院にはいつも世話になっていたな。
そういえば、あの店のマッシュポテトがとても美味しかった。
思い出は溢れて来る。
霞んで擦り切れて、その輪郭は疾うの昔失われていたけれど。
目を開けて、バイクを再び走らせた。
身体に沁み込んだ地図を脳裏に浮かべる。
今は無い交差点を曲がるように、右に体を傾けた。
かつて曲がれなかったこの道を、今度こそ辿る。
過去を振り切るために。





「クリス、ここって。」
何もない荒野でバイクを止める。
散乱している塵の中に、変形したヘルメットが落ちているのが目に入った。
誰かの忘れ物だろうか。
ヘルメットの表面は焼け爛れ、幾つもの傷跡を残している
止まったバイクの座面に座り、それを眺めた。
「ここには、家があった。」
静かな住宅地の外れにある、赤い屋根の小さなマンション。
「誰のか聞いても?」
備え付けのベッドとデスク。
ローソファーと小さな本棚が置いてあるだけの、生活感の希薄な狭い部屋。
「…アルバート・ウェスカー。」
腰に回ったままだったジルの手に、力が入ったのが分かった。
「もう、何もないんだな。」
何回も繰り返し呟いた言葉を、口にする。
「…クリス。」
ジルが呼ぶ。
「大丈夫だ。」
ジルの手に手を重ね、冷えた彼女の手を温めた。
大丈夫。大丈夫だ。
もう、ここには何も残っていないのだから。
もう、終わりにするから。
「何も残さないさ。」
そう言ってジーパンのポケットから鍵を取り出した。
表面のメッキが剥げたそれを、かつて家があった場所に投げ捨てる。
鍵は音もたてずに、闇に消えた。
思い出す必要のない家の鍵など、もう必要はない。


それは亡霊が夢見た、哀しいお伽話。
かえることの出来ない、夢のつづき。

帰りたい。
返りたい。
かえりたい。





おわり。


【後書きという名の言い訳】
くっら。暗すぎる。
前回が明るかったので、5のクリスを足してみたら、見事に鬱な内容に。
話の流れなどはあえて一緒にしてあります。
ジルとクリスの関係が分からない。
そしてあの街はどうなったのかもわからない。
キャプテンが微塵も出てきませんが、WCと言い張ります(笑)。
家=安らぎの場所=過去の思い出=傷跡=家の扉に鍵=鍵がなければ扉(安らぎの記憶)は開かない=鍵はいらない
って感じです。うん、分かり難い。
これが貴皇クオリティ☆

以下 改訂後の言い訳
改訂しても、文章の酷さはかわりません☆



誤字脱字、ここ変だよ、感想などありましたらどうぞ。
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